脳卒中地域連携パス?!

          院長補佐 東 壮太郎

  地域連携パスってなんのこと?実は私も1年前には良くは解っていませんでした。これを説明する前に、もしあなたが脳卒中で倒れたとしたらどのような闘病生活を送ることになるの でしょうか。この点をまずは理解して頂こうと思います。
  もしあなたが脳卒中で倒れたら。まず急いで救急車を呼び急性期病院に搬送されるでしょう。脳卒中と診断されたら、命を救うため、あるいはこれ以上病状が悪化しないように、内服、点滴、場合によっては手術が行われます。また、もともと高血圧症や糖尿病、高脂血症、不整脈などの合併症がある場合はその治療も行ないます。これらが急性期の治療です。ある程度病状が落ち着くと、手足の麻痺や言語障害などに対する、損なわれた機能を取り戻すためのリハビリが始まります。回復期の治療です。専門的なリハビリが必要な場合は回復期リハビリ病棟のある病院へ転院することもあります。回復期のリハビリが終わると、転院先の施設を探して転院するか、あるいは自宅復帰の準備を整えて退院となり、今度は維持期の治療にはいります。多かれ少なかれ障害が残ることは脳卒中患者の宿命といえます。その場合、退院後は後遺症を抱えながらも生活していかねばなりません。不幸にも障害が残った場合でも、生活を維持するための様々なサービスを介護保険を使って受けることが出来ます。医療福祉相談員やケアマネの支援のもと、療養型病院入院、福祉施設入所、訪問介護・訪問看護、訪問リハビリ・通所リハビリなどが可能です。また、かかりつけ医の元で再発予防や合併症の治療が平行して行なわれます。
  このように、一連の過程の中で、救急隊、病院、介護福祉施設、診療所、訪問看護ステーション、包括支援センター、保健所など多くの医療福祉施設が関わっていくことがお分かりかと思います。関わる職種も救急隊員、医師、看護師、リハビリスタッフ、医療福祉相談員、ケアマネ、保健師など多職種にわたります。このような過程を経る際に最も重要なことは、各施設間や関係者間の連携です。患者・家族の皆さんに病状をわかりやすく説明して理解していただき、患者・家族と医療福祉関係者が一丸となって病気に立ち向い、地域としてこれを支えていくことが必要です。つまり地域連携パスとは、患者・家族の納得のうえ、患者さんの情報を適確かつ効率良く次の関係者に受け渡ししていくシステムあるいはツールということになります。
  その際、どのようにして個々の情報を患者家族・関係者の間で共有して受け渡ししていくかが重要となります。情報をつなぎ目なく受け渡ししていくためには何が必要でしょうか。それは、情報内容の項目や評価法を統一し地域全体で共有することです。私達はH19年4月から、このための準備を進めてきました。金沢大学脳神経外科、石川県健康福祉部、能登中部保健福祉センター(保健所)と協力し、全能登地域の関係者を集めたワーキンググループを立ち上げました。能登全域の急性期病院、回復期病棟、介護福祉施設、診療所、保健所などから、勤務医、かかりつけ医、看護師、リハビリ療法士、社会福祉士、医療福祉相談員、ケアマネなど総勢23名を召集し、能登脳卒中地域連携パスを策定する作業を行なってきました。現在その骨組みはほぼ出来上がり、今後はその詳細を詰めていく段階にあります。H20年4月から県全域で実施される予定です。今後も様々な広報活動を通じて皆さんにお知らせしていくつもりです。皆様のご理解とご協力を宜しくお願いいたします。