とっても痛い尿管結石

  

   その治療法は?
 

 -お腹を切らない結石治療-


泌尿器科 科長 川村 研二

 
 尿管結石という病気をご存知でしょうか?日本人100人のうち8人が一生に一度尿管結石の痛みに苦しみます。尿管結石は、腎臓でできた結石が尿管に落ち込んで、腎臓がはれて痛みと嘔吐を伴う疾患です(図1)。
この尿管結石を治療するにはいくつかの方法があります。
1、 体外衝撃波結石破砕術
2、 レーザーによる内視鏡手術
3、 開腹術等
 このうち、当院で年間40〜60例行われている体外衝撃波結石破砕術について説明したいと思います。
【体外衝撃波結石破砕術】 
 結石を衝撃波で砂にして尿と一緒に排出する治療法です(図2)。
 衝撃波はドイツで開発された方法で、最初は潜水艦を壊さずに、乗組員のみを殺傷するという戦争利用目的でした。これを医療に転用したのが約25年前、人の体を傷つけずに結石のみを治療しようという発想でした。当時は、巨大なお風呂に患者さんを吊り下げ、衝撃波をお風呂の底から発射する巨大な装置を用いて治療していました。筆者は20年前に約300例の患者さんをこの巨大なお風呂装置で治療していました。時は流れて、現在の最新式破砕装置は、コンパクトで高性能、患者さんはベッドの上に寝ているだけで治療は終了します(図3)。以下に治療の実際についてご説明します。
【麻酔法】
 治療は、皮膚の局所麻酔と静脈麻酔で寝ながら行います。衝撃波治療は、弱いパワーから徐々に結石を壊す強いパワーにまで上げていきます。
【治療の実際】
  結石の位置、大きさにより衝撃波の強さ等が異なります。1分間に90発の衝撃波を発射します。0.7cm以下の尿管結石では約1,000〜3,000発の衝撃波1回の治療で結石が壊れることが多く外来治療も可能です。2cm以上の大きな結石では、5,000発以上の衝撃波治療が必要で、治療回数も2回以上となります。
【治療の費用】
  衝撃波治療の手術費用は約20万円ですが保険診療です。外来治療で3割負担の場合約7〜8万円の自己負担が必要になります。入院治療の場合はその他に入院費用等がかかります。
【最新の治療方法】
 尿管結石は、腎臓の機能を悪化させる病気です。結石を除去して、腎機能を改善させることが治療の目的であり、また短期間で痛みを改善させることが可能な画期的な治療法です。当院では、高性能内視鏡装置とレーザーによる結石治療もこの7月より開始しています。より高度な結石治療が可能になり、能登地区で世界最新の治療を受けることが可能になっています。
 


図2.衝撃波治療後の砕石片

図3.結石破砕装置