①腋臭症


 体臭が強いために日常生活に支障を来す病態を言います。若いときに強くなるいわゆる”わきが”の原因はアポクリン汗腺です。アポクリン汗腺が発達しているとにおいが強くなります。 体質が強く関与し、軟耳垢の方はアポクリン汗腺が発達していると思われ、腋臭が強くなる傾向があります。逆に軟耳垢でない(かさかさの耳垢)のひとは腋臭症になりにくいです。アポクリン汗腺の発達度合いは異常なまでに個人差が大きく、仮に生活習慣の改善などで腋臭症体質を改善できるとしても限界があるでしょう。なぜならば手術の際にみられるアポクリン汗腺の数や発達度合いが腋臭症体質のかたはずば抜けて大きく、皮膚の裏側にピンク色の粒(アポクリン汗腺)がるいるいと”すじこ”のようにたわわに付着するのが確認できます。対して腋臭症体質でないかたはちらりほらりとしかつぶを確認できません。また、遺伝性があり、ご家族に腋臭症体質の方がおられたら可能性があります。


腋臭症の治療


 アポクリン汗腺は全身に分布しますが、特にわきの下に多く、他は顔面、陰部、乳房などにも分布します。従ってわきの下の汗の量を制御するとワキガが改善します。当院では手術治療を行っており、剪除法といって皮膚を切開してアポクリン汗腺を直視下に切除する方法をとっています。近年では小切開から細いカニュレを挿入してアポクリン汗腺を切除する方法も報告がみられます。小切開からのカニュレによる治療は侵襲が小さい分効果は限定的とされ、剪除法は効果が期待できる分身体的な負担があるという特徴があります。当院ではもっとも実績のある治療法として剪除法を導入しております。



③治療の流れは?


 局所麻酔で手術をします。可能な限り両側一度に行います。両側のわきにガーゼを挟んだ状態で一週間程度肩の運動を制限します。可能ならば一泊入院をおすすめします。手術翌日に創部のドレン(浸出液や出血を外に誘導するもの)を抜去します。一週間後にガーゼを除去し、さらに一週間後に抜糸をします。


④あらかじめご理解いただきたい点


 治療の効果は個人差があります。アポクリン汗腺は80%程度は切除でき、臭いも改善しますが、エックリン汗腺から出るさらさらした汗の量は50%減少にとどまります。また、経年により”後戻り”という汗腺が復活してくる現象も少なからずあります。また若い方は創部がしばらく赤みを帯びたり、色素沈着を起こしたりします。手術して一年くらいは我慢が必要です。


えきしゅうしょう