恵寿総合病院

新年のご挨拶

 2015年は、2月の能越自動車道開通、3月の北陸新幹線開通、4月のNHK連続テレビ小説「まれ」放映など、地域は話題に満ちた年となりました。私たち、けいじゅヘルスケアシステムにおいても、3月のローレルハイツ恵寿、恵寿ローレルクリニックのオープンのほか、7月には都市圏の退職者をターゲットとしたシニア・イノベーター募集、10月には会員制オンデマンド送迎システム「楽のり君」の運行、医療や介護の質の向上を目的とし、『知の創造・技の熟練』を合言葉にKeiju Innovation Hub(恵寿イノベーションハブ)をオープンさせました。
 今年2016年は国の施策によって、医療費(診療報酬)改定、地域医療構想策定の年となります。これらによって、2025年という団塊の世代が後期高齢者となる、まさに高齢社会の到来に向けての大改革が緒に就くことになります。
 けいじゅヘルスケアシステムを取り巻く環境は、都市部よりもはるかに早く高齢社会が到来しています。その中で私たちが目指す方向性は、国が目標とする2025年に対応するのではなく、まさに今からその先の2035年に対応することかもしれません。
 そういった意味で、厚生労働省「保健医療2035」策定懇談会の座長を務めた渋谷健司先生を昨年の12月に七尾へお迎えして、その意味するところについてお聞きすることができ、広報誌「恵寿」2016年1月号でも対談記事を掲載させていただきました。
 私たちが今ここで取り組まねばならぬことは自明です。それは、「保健医療2035」の2035年へのパラダイムシフトを先取りすることです。特に、私たちにとって「発散(細分化)から統合へ」が鍵のように思います。私たちは、細分化することによって専門性を確保し、機能を分化させてきました。患者さんや利用者さんの価値観を軸としたサービスの統合を目指す時なのです。
 干支の「申」の字は、「形が明らかになってくる」「実が固まっていく」様子とされます。私たちの、これからに向けての医療介護福祉提供体制を固める年にしたく思っております。

 2016年新春

社会医療法人財団 董仙会
理事長 神野正博