PC・スマホから5分で回答
来院前AI問診
問診はこちら

お知らせ

第26回 日本免震構造協会賞-2025-普及賞 を受賞しました

恵寿総合病院 第26回日本免震構造協会賞受賞のお知らせ
恵寿総合病院
2025年3月
第26回 日本免震構造協会賞
-2025-普及賞 受賞
医療を守る、命を守る、最先端の免震技術

このたび、当院は第26回 日本免震構造協会賞 -2025-普及賞を受賞いたしました。

日本免震構造協会賞は、先進的な免震構造技術の普及と発展に貢献した建築物に贈られる栄誉ある賞です。当院の免震構造は、地震大国である日本において、災害時にも医療機能を維持し、患者様の安全を確保するための重要な基盤として高く評価されました。

最新の免震技術を取り入れることで、強い地震の際にも建物の揺れを大幅に低減し、医療機器や設備の損傷を防ぎ、24時間365日、地域の医療を守り続けることが可能となります。

このたび、恵寿総合病院は「第26回 日本免震構造協会賞 -2025-普及賞」を受賞いたしました。日本免震構造協会賞は、免震構造の技術の進歩や普及に貢献した優れた個人や団体を表彰する、この分野における最も権威ある賞の一つです。
恵寿総合病院 外観
今回の受賞は、令和6年能登半島地震の被災時においても、当院の免震構造が効果を発揮し、病院機能の維持と医療活動の継続を可能にしたことが高く評価されたものです。建築物の安全性確保と同時に、災害時における地域医療の拠点としての役割を果たすことができた点が注目され、普及賞としての栄誉を賜りました。
受賞名
第26回 日本免震構造協会賞 -2025- 普及賞
「令和6年能登半島地震被災時にも機能の維持・医療活動の継続を可能とした免震構造~恵寿総合病院本館~」
日本免震構造協会賞について
一般社団法人日本免震構造協会が主催する表彰制度であり、免震構造の技術の進歩や普及に貢献した個人や団体を表彰するものです。功労賞、技術賞、作品賞、業績賞、普及賞の5種類があり、免震構造などの特質を反映した優れた建築物の実現に携わった個人や法人、団体が対象となります。
恵寿総合病院 免震構造表記看板
恵寿総合病院に設置されている免震構造表記看板。建物が免震構造であることを来院者に明示しています。
当院の免震構造の特徴と評価ポイント
延床面積約16,000m²、7階建て、高さ31mの本館は、49基の積層ゴム支承を用いた基礎免震構造を採用しています。2013年の竣工時より、地震の揺れが建物に直接伝わらないよう設計されています。
地盤液状化対策として、格子状地盤改良(TOFT工法)により、工学的基盤まで改良体(深さ約12m)を設置し、海岸線に近接した敷地特性に対応しています。
津波対策として、1階床レベルを予想津波高さより高く設定(地上から2m高)し、積層ゴム支承を主体とした構造により免震層の浸水対策を施しています。
構造計画では、扁平梁(幅広・せい小)の採用による設備スペースの確保と、外周部に耐震間柱を設けた外殻フレームにより剛性を確保しています。
BCP対策として、電気系統の二重化、非常用発電機の設置、井戸水の活用、屋上ヘリポートの設置、そして事前の防災訓練と詳細なBCMマニュアルの整備を行っていました。
令和6年能登半島地震(七尾市震度6強)発生時の免震層の最大変位は南北方向に約20cm、東西方向に約12cmを記録。加速度応答は50~70ガル程度に抑えられ、想定通りの低減効果を発揮しました。
「棚のものは落ちなかった、ただゆらゆらと揺れていた」との利用者証言があるように、什器・医療機器の転倒もなく、地震翌日から出産や緊急手術を実施、1月4日(地震3日後)には外来診療を再開しました。
この事例は「能登の奇跡」と報道され、国会や国土交通省でも取り上げられました。地域医療の継続に大きく貢献したことが、今回の受賞につながりました。
免震構造の積層ゴム
写真は当院の基礎免震に使用されている積層ゴム支承の一例。上下の鋼板と中間のゴム層で構成され、地震時に建物の揺れを大幅に低減します。
免震構造とは、建物と地盤を切り離した構造で、地震の揺れが建物に直接伝わらないようにするものです。耐震や制震と比較して、大きな地震が発生しても建物は揺れにくいという特徴があります。当院は、この技術を先進的に採用し、患者様の安全を最優先に考えた病院設計を実現しています。
一方で、課題も明らかになりました。建物周囲の地盤沈下や配管貫通部の損傷によるライフライン制限、救急車入口の段差発生といった周辺地盤の液状化による二次被害が発生しました。また、エキスパンションジョイント金物の損傷も見られました。これらの経験は、建物直下だけでなく敷地全体の液状化対策や、細部まで実際の地震時挙動を想定した設計の重要性を再認識させるものとなりました。
恵寿総合病院は、今回の受賞を機に、より一層地域医療の質の向上と安全な医療環境の提供に努めてまいります。引き続き皆様のご支援とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。