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早期アルツハイマー病治療外来

早期アルツハイマー病治療外来 ~石川県七尾市で最新治療を~

 2023年末、新しいアルツハイマー病治療薬『レケンビ®』(一般名:レカネマブ)が薬事承認され、保険適用が開始されました。さらに、2024年11月には第2の治療薬である『ケサンラ®』(一般名:ドナネマブ)が発売されました。
 石川県七尾市に所在する恵寿総合病院では、これら最新の治療薬投与および治療に向けた各種検査等の準備が整い、専門外来を開設いたしました。専門外来での検査から治療までの流れについてご紹介いたします。

高齢化社会の日本と認知症

 日本は世界でもたいへん高齢化が進んでいる国です。高齢化に伴い、認知症患者数も増加の一途をたどっています。現在、約443万人もの方が認知症を患っており、2040年には約584万人に達すると予測されています。これは65歳以上の高齢者の約7人に1人が認知症になるという計算になります。(※1)
 また、認知症の主な原因であるアルツハイマー病の患者数も同様に増加傾向にあり、2022年時点で推定79万4000人にものぼると報告されています。(※2)
 ご本人はもちろんのこと、そのご家族などの負担も考慮すると、認知症は日本社会全体に大きな影響を与える深刻な課題となっています。

(※1)厚生労働省 🔗リンク
(※2)厚生労働省 🔗リンク

アルツハイマー病とは

 認知症の原因で最も多いのがアルツハイマー病です。主な症状は ”もの忘れ”で、初期は昔の記憶はあるものの最近のことを覚えることができない、などの症状があります。また、脳内にアミロイドβ(アミロイドベータ(Aβ))が溜まることが特徴で、進行すると脳が萎縮し、認知症症状が強く表れていきます。

[認知症の原因疾患]
[アミロイドβの蓄積と認知症進行の関係]

アルツハイマー病の最新治療薬
 「レケンビ®」「ケサンラ®」

 昨今、アルツハイマー病の治療において、新たな選択肢として大きな期待を集めているのが「レケンビ®」と「ケサンラ®」という2つの薬です。
 この2つの薬は、アルツハイマー病の原因物質とされるアミロイドβを除去し、症状の進行を遅らせる効果があり、アルツハイマー病による軽度認知障害(=「MCI」と呼ばれる状態)や、軽度認知症の方を対象にその効果が期待されます。
 各薬剤の詳細は、このページの下部 「3. 治療開始」 に記載があります。(🔗該当箇所へジャンプ

当院だからできること:
「早期アルツハイマー病治療外来」の強み

 「レケンビ®」や「ケサンラ®」などの最新の治療薬は、投与にあたり専門的な知識を有するスタッフと設備、そして副作用が起きた際に対応できるような体制が整っている医療機関での投与が認められています。
 当院では、これらの要件を満たす体制を整えた「早期アルツハイマー病治療外来」を開設し、安心して治療を受けていただける環境をご提供しています。

(※ 2024年12月時点で、能登地方では当院のみが初回導入を行っています)

「初回導入」から「継続治療」までー施設で完結

「レケンビ®」「ケサンラ®」投与による治療を行う施設は、以下の2種類に分類されます。

  • 初回導入可能施設: 治療薬の初回投与(導入)が可能な医療機関。専門的な設備とスタッフを有し、安全性に配慮した治療の開始を担当します。
  • フォローアップ施設: 他の医療機関で初回投与 ~ 一定期間(6か月)の経過観察を経た患者様を、6か月以降に引き継ぎ、継続投与を担当する施設。

当院は、石川県でも数少ない初回導入可能施設であると同時に、 6か月以降の継続投与にも対応できるフォローアップ施設でもあります。 初回導入から投与終了の期間まで、一施設で一貫した治療をご提供できます。

「一貫治療」のメリット

治療開始からフォローアップまでを同一医療機関で受けられることは、患者さんとご家族にとって以下のようなメリットがあります。

① 同一スタッフによる継続治療
初診から継続治療まで同じ医療チームが担当することで、信頼関係を築いた医療スタッフが寄り添うことができるため、患者さんとご家族は安心して治療に専念できます。

② 負担軽減
治療段階ごとに医療機関を移動する必要がないため、通院や手続きにかかる負担が大幅に軽減されます。

③ シームレスな情報共有
患者さんに関する全ての医療情報が院内で一元管理されることで、医療チーム間での情報共有がスムーズに行われ、より質の高い安全な医療の提供が可能になります。

当院での治療の流れ

専門医による診察を受けながら、以下のような流れで治療を行います。

1. 各種 事前検査

MCIや軽度認知症の状態を判断するために、様々な事前検査を行います。

  • MMSE(ミニメンタルステート検査)
    認知症の疑いがある時に行う神経心理検査で、認知機能を点数化するため、様々な質問や問題を出題します。(所要時間:10~15分程度)
  • CDRスコア(臨床的認知症尺度)
    認知機能や生活状況などについて、診察や家族など周囲の人からの情報に基づき評価します。受診の際は、ご家族などの同伴をお願いします。
  • MRI画像検査
    脳の萎縮が進行していないか、微小な脳出血などその他異常がないか調べます。

2. アミロイドPET検査

 「1. 各種 事前検査」によりMCIや軽度認知症と判断されましたら、次に、実際に脳内にアミロイドβが溜まっているかを画像で確認する『アミロイドPET検査』を行います。PET検査は高額なイメージありますが、保険適用となりますので、安心して検査を受けていただけます。検査を受けるにあたり、食事制限など特別な事前準備はございません。

 ▲ アミロイドPET検査の流れ(検査終了まで約2時間)

3. 治療開始

  アミロイドPET検査で陽性(=脳内にアミロイドβが蓄積している)と診断された場合、『レケンビ®』または『ケサンラ®』による治療が適応となります。
 治療は長期にわたることが想定されており、個人の症状や反応に応じて専門医が治療計画を立てます。定期的な評価を行いながら、効果と安全性を確認していきます。

 ▶レケンビ® (一般名:レカネマブ)

 レケンビ®は、アミロイドβ(Aβ)がたまる前の段階で形成される「Aβプロトフィブリル」に働きかけます。この薬はAβプロトフィブリルに結合し、異物を除去する働きを持つミクログリアという細胞を呼び寄せます。その結果、Aβの蓄積が減少し、アルツハイマー病の進行を遅らせることが期待されています。

【治療頻度】 通常2週間に1回、点滴により投与されます。1回の点滴投与時間は約1時間です。

[レケンビ®公式HP(🔗リンク)]

 ▶ケサンラ® (一般名:ドナネマブ)

 ケサンラ®は、Aβがさらに集まり、固まってできる「Aβプラーク」に結合し、ミクログリア細胞を呼び寄せて、アミロイドβプラーク除去を促進すると考えられています。

【治療頻度】 通常4週間に1回、点滴により投与されます。1回の点滴投与時間は約30分です。

[ケサンラ®公式HP(🔗リンク)]

お問い合わせ

電話番号: 0767-52-3211
担当: 早期アルツハイマー病治療外来

こんな症状でお悩みの方は、ぜひ当院にご相談ください。

  • 最近のことを覚えにくくなった
  • 物の置き場所を忘れることが増えた
  • 家族や周囲の人から記憶について指摘されることが多い
  • 「自分は認知症なのでは」「家族が認知症かもしれない」と不安を感じている方
  • 一貫した治療体制で、安心して治療を続けたい方

早期アルツハイマー病治療外来についてのお問い合わせは、代表番号(0767-52-3211)までお電話いただき、「早期アルツハイマー病治療外来について聞きたい」とお伝えください。

当院では、専門医による診察と最新の治療をご提供しています。患者様一人ひとりに最適な治療をご提案し、安心して治療に取り組んでいただけるよう、スタッフ一同、全力でサポートいたします。お気軽にご相談ください。