膵がんを「早期」に見つける。
守れる命を、守りたい。
膵がんは「がんの中でも特に早期発見が難しく、その上進行が速いため、
診断された方の9割以上が5年以内に命を落としてしまうがん」として恐れられてきました。
しかし、その常識を変えるべく、私たちは挑戦を続けています。
――諦めない、運任せにしない、
地域から膵がんで亡くなる方をゼロにするために――

目指せ膵がん撲滅の街!
1cm以下でも見つけられる――早期診断の新たな可能性
膵がんの早期診断法の確立に尽力している
金沢大学附属病院 放射線科 井上 大(いのうえ だい)医師を含む、国内外の医師らの研究により、
これまでは見つけることが難しいと考えられてきた
“早期の膵がん”(=膵がんの赤ちゃんの段階、1cm以下)で
見つけることが可能になってきました。この段階で治療を開始できれば、5年生存率は80%以上といわれています。
金沢大学附属病院 × 恵寿総合病院
恵寿総合病院では、金沢大学附属病院とタッグを組み、 まずは七尾市を『膵がん撲滅の街』にするための取り組みをスタートしています。
当院の『膵がん検診』は、専門機器(3テスラの高精度MRI装置)、高いスキルを持つ放射線課スタッフ、
膵臓画像診断のスペシャリスト(井上 大医師)、確かなバックアップ体制(※)を備え、早期診断・早期治療体制を構築しています。
膵がん早期発見の重要性 │ 知ってほしい膵がんのこと
その先に目指すのは、七尾市にとどまらず, 「膵がんでの死亡ゼロの奇跡の地域、能登」の実現です。
膵がんは非常に進行速度が早く、極めて予後不良のがんです。
しかし、1cm以下で発見・治療すれば5年生存率は80%以上に達します。
つまり、早期発見と外科的完全切除こそが生存率向上のカギ。
その1cm以下で見つけることが、これまではとても難しかったのです。
これまで早期発見といえば、何かの検査で「たまたま偶然」見つかるしか手段がありませんでした。
ですが、無症状のうちから『膵がん検診』で画像検査(MRI)を受けることで、
1cm以下の早期段階で発見し、治療へつなげる道が開けます。
さらに、定期的かつ計画的に検査を取り入れることで、
早期発見を“必然”に変えることが可能になります。
偶然に頼っていた発見を、専門医・高精度機器・住民の意識改革が重なり合うことで、
当たり前に早期発見を可能にする仕組みへと進化させたい――これが私たちの願いです。
恵寿総合病院では、能登の全住民・全膵臓を守るべく、金沢大学附属病院と強固に連携して 『膵がんの早期発見が「必然」に、そして「当然」』になるような未来を目指し、走り出しています。
「検査を受けて当然」という新たな意識を広げ、
七尾市、そして能登一円で膵がん死亡ゼロの地域をつくりたい――
私たちはその第一歩を、ここ七尾から踏み出しています。
市民公開講座 講演動画
2025年1月に行われた 『恵寿 市民公開講座 -知ってほしいがんのこと-』での講演動画です。
膵がんの基礎知識~早期発見の重要性、そして膵がん検診の詳細までをわかりやすく解説しています。ぜひご覧ください。
当院の『膵がん検診』について
検診の流れ
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MRI検査
(約30分、膵がんを詳しく写す特殊撮影を含む) - 膵がんの画像診断に精通した医師(井上医師)による読影 結果は後日郵送するため、検診のための来院は1回で済みます。お忙しい方にも安心して受診いただけます。
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結果に応じた追加精密検査・定期フォロー
もし「膵臓が少し痩せている」「膵管にわずかな異常がある」などの 「早期膵がんを疑う」所見を確認した場合、消化器内科や外科とも連携し、さらに詳細な検査を行い、早期治療のチャンスを最大限に引き上げます。
国内トップクラスの検診
些細な所見をも見逃さない“眼”と“技術”を結集させることで、
高精度な検診を行う体制を整えています。
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放射線科専門医でも難しい膵がん早期診断を、井上医師が全例を直接読影(=画像診断)
当院の『膵がん検診』では膵臓画像診断の権威である井上医師が全例を直接読影し、 たとえわずかな異常所見でも拾い上げることで、信頼度の高い診断を実現しています。 -
指導を受けた放射線技師
井上医師の指導を受け、当院の放射線技師が膵がん早期診断に最適なMRI画像を撮像します. -
実績: すでに140名が受診
プロジェクト開始以来、すでに140名の方に『膵がん検診』を受診いただいています(2025年2月時点)。
140名の検診の結果、2例の膵管癌と2例の神経内分泌腫瘍(NET)が見つかっています。
特に膵管癌の1例は、見つけるのが非常に難しいとされる早期の段階で発見し、 治癒切除につなげることができました。
他の症例についても、ステージや種類に応じた治療やフォローアップを継続しています。
さらに、膵がんの危険因子の一つとされる膵嚢胞や膵管狭窄/拡張が見つかる方も多く、その後の適切なフォローアップへつなげています。
一般的に10万人あたり35人程度とされる膵がんの有病率ですが、
今回の検診で見つかった4例は140名の受診者に対する発見であり、これは非常に高い診断率と評価されています。
なお、一般的に60歳以上で約1,000人に1人と推定されてきた膵がんですが、
実際にはもっと多くの方に潜在している可能性を示唆する結果でもあります.
井上大医師のご紹介
金沢大学附属病院 放射線科
井上 大(いのうえ だい)医師
消化器画像診断のエキスパート。
特に「1cm以下の早期膵がん」をいかに捉えるかという難題に取り組み続け、国内外で高く評価されていらっしゃいます。
恵寿総合病院との協力体制を構築し、井上医師の高度な読影スキルと最新のMRI技術を組み合わせることで、 能登地域の皆さまの健康を守るべく ご尽力いただいています。
井上医師からのメッセージ
パープルリボン と 公式キャラクター『ナマゴン』
膵がんと聞くと、どうしても難しい話や深刻なイメージが先立ちがちですが、 できるだけ多くの方に親しみを感じてもらい、膵がん検診の大切さを広めるきっかけにしたい―― そんな想いから、『パープルリボン』や公式キャラクター『ナマゴン』が活躍しています。
パープルリボンは、膵がん撲滅のシンボルマークです。 世界各国で、膵臓がんの早期発見・治療を促進し、啓発を広げるための運動に用いられています。 服や小物にこのリボンを取り入れることで、膵がんと闘う方々やそのご家族を応援し、 「少しでも多くの命を救いたい」という願いを共有する象徴となっています。

一方、膵がん撲滅の公式キャラクターとして井上医師の元で誕生したのが、愛くるしい姿が特徴的な『ナマゴン』です。

イラスト:増田涼香医師
石川県七尾市の名産であるナマコと膵臓の形状が似ていることから名付けられました。
膵臓のようなやさしい 黄色のボディに、ナマコのようなちょっぴりイガイガがアクセント。首には、膵がん啓発のシンボル『パープルリボン』を大切に巻いています。
表情豊かで愛らしいナマゴンは、みなさんと一緒に勉強したり、
ときには親身に悩みに寄り添ったりしながら、地域のみなさまを膵がんから守るためにがんばっています。
小さな体に、大きな使命!
恵寿総合病院の「膵がん検診/膵がん撲滅運動」を盛り上げる公式キャラクターとして、
これからも活躍していきますので、どうぞ応援してくださいね。
「膵がん撲滅の街、七尾」に
新型コロナウイルスの流行や令和6年能登半島地震など、私たちの地域を取り巻く環境は大きく変わりました。
しかし、恵寿総合病院は何よりも「大好きな七尾」と「大好きな地域の皆さま」を守りたいという思いで、日々の医療提供と新たな挑戦を続けています。
その一環として力を注いでいるのが、この『膵がん検診』です。
一人ひとりが「早期に検査を受けるのが当たり前」と思える環境を整え、
住み慣れた能登の地で安心して暮らしていただきたい――
これが私たちの願いです。
『膵がん検診』はまだ認知度が十分に高いとはいえませんが、リスクを早期に見つけて対処できる大きなメリットがあります。お一人でも多くの方にその重要性を知っていただき、より安心して暮らしていただけるよう、今後も啓発活動を続けてまいります。
この記事をご覧になった方には、ご自身だけでなく、ご家族やご友人にもぜひ情報を広めていただき、ともに「がんに負けない地域」実現にご協力のほど、よろしくお願いいたします。
1人でも多くの命を守りたい。
お問い合わせ・ご予約
『膵がん検診』のお申し込みや詳細なご相談は、以下の方法で受け付けております。
メールでのご予約の場合は、「お名前」「連絡先」「ご相談内容」を忘れずにご記入ください。
ご不明点やご要望なども、お気軽にお伝えいただければ幸いです。